Ultimate Boot CD / USBフラッシュメモリから起動するこのコラムは、私がパソコンの診断に使用している"Ultimate Boot CD"をUSBフラッシュメモリから起動させる方法を記しているものです。 公式サイトにもやり方は書いてあったような気もするので、 「英語わかりません!」な方向けに記しているものだと考えてもらえれば。 ちなみにコラムにするほど難しいものではないので、誰でも出来るかと思います。 私のようにパソコンショップで働いてる人はもちろんのこと、 ちょっとパソコンに詳しい人、詳しくなりたい人にも有益だと思います。 前提の知識としてそもそも"Ultimate Boot CD"とはなんぞやと言いますと、ちょっと説明が難しいのですが、DOS/Vで動作するCDブート可能な統合ユーティリティ集といったところでしょうか。 具体的には、HDD、メモリ、CPUなどのチェックや一部の負荷テストを行えます。 日頃、私がよく使用するのは、HDDチェック系(MHDD,DFT)のソフトとMemtest86+かな。 で、これは通常 Boot CD というくらいなので、CDに焼いて起動させるのですが、 如何せんそのためだけにCDドライブをつけるのがめんどくさい。 特にショップ関係者の方は分かると思いますが、HDDやメモリ単体のチェックのために わざわざ一式組み立てるのは、時間のロスになる(=お客様をお待たせる事になる)ワケです。 どうせならM/B、CPU、メモリ、キーボード、電源だけ繋げた状態でPowerピンを 適当な金具でショートさせて起動させたいもんです。設備があるところは良いですけどね。 そこで、BIOSという問題はありますが、ほぼどのパソコンでも使用できるフラッシュメモリに "Ultimate Boot CD"を入れてしまい、そこから起動させることで楽をしようという魂胆です。 ※ついでにDOSで動くソフトウェアを独自に組み込むのも大いにアリです。 必要なものそんな大したものはいりません。フラッシュメモリがいるくらいなもんですが、最近は安いので容量大きいのに買い換えて、 前に使っていたものを今回のに流用するというのもアリです。データは消えますが。
準備するUltimate Boot CDは、ここのMirror Sitesからiso形式(ubcd***.iso)のを。7-Zipは、ここから(7z***.exe)それぞれ揃えます。 ダウンロードが完了したら、7-Zipをインストールしてしまいます。 次に、ダウンロードしたisoイメージを7-Zipを使用して全てを展開します。 isoイメージの展開場所はどこでも良いですが、今後の利便性を考えると C:\ の直下に ubcd411 という名前のフォルダを作成し(名前は何でもいいですが)、 その中に、展開してしまうのがいいと思います。今後の説明でもそれが前提となります。 展開すると、C:\ubcd411\ 下に以下のようなフォルダ・ファイルが追加されるはずです。 ※ \ は半角の¥を表します。 フォルダ ・boot ・custom ・dosapps ・images ・isolinux ・menus ・syslinux ・tools ・website ・[BOOT] ファイル ・autorun.inf ・boot.catalog ・ubcd.icoすべてのフォルダ・ファイルがあることを確認出来ればOKです。 ここから先は、コマンドプロンプトから作業になります。 コマンドプロンプトからの作業まずは、アクセサリよりコマンドプロンプトを立ち上げます。通常、以下のような画面になるかと思います。 Microsoft Windows XP [Version 5.1.2600] (C) Copyright 1985-2001 Microsoft Corp. C:\Documents and Settings\user_name>user_name の部分には、ユーザー名が入るので違っていても構いません。 次に以下のようにして、フォルダを移動します。 C:\Documents and Settings\user_name>cd c:\ubcd411\tools\ubcd2usb C:\ubcd411\tools\ubcd2usb>上記のように表示されていれば問題ありません。 次にUSBメモリ上にファイルを移します。 以下の例では、ドライブレター F: が移す先のフラッシュメモリです。 C:\ubcd411\tools\ubcd2usb>ubcd2usb c:\ubcd411\ f:上記のコマンドを実行すると、以下のような画面になると思います。 Microsoft (R) KKCFUNC バージョン 1.10 Copyright (C) Microsoft Corp. 1991,1993. All rights reserved. KKCFUNC が組み込まれました. マイクロソフトかな漢字変換 バージョン 2.51 (C)Copyright Microsoft Corp. 1992-1993 Press any key to continue, press ESC to abortESCキー以外のEnterキーなどを押すと、以下の2行が追加されます。 UBCD2USB: *WARNING* YOUR USB KEY CONTENTS WILL BE LOST! Press any key to continue, press ESC to abort「中のデータは全部消えるけど、本当にいい?」と聞いて来るので、再度Enterキーを押します。 UBCD2USB: Launching 'makebootfat' to format USB drive device_start 0 [sectors] device_size 509952 [sectors], 249 [MB] device_geometry 249/64/32 [cylinders/heads/sectors] (ZIP-Drive compatible) bios_drive HDD fat_start 32 [sectors] fat_size 509920 [sectors] fat_bit 32 fat_sectorpercluster 4 write 61440 [sectors], 30 [MB]上記のような画面になり、ファイルを120MB程転送するので待ちます。 途中ウィンドウがポップアップしたりしますが、放置して下さい。 下手にさわると、システムを巻き込んで再起動が掛かります。(そしてスキャンディスクorz) UBCD2USB: At this point, you might want to unplug and plug in your USB drive again to refresh the system's view of its content ... 続行するには何かキーを押してください . . .Enterキーを押すと、以下のようになります。 UBCD2USB: Bootable UBCD memory stick has been created 続行するには何かキーを押してください . . .再度Enterキーを押すと、元のフォルダに戻るので、コマンドプロンプトを閉じます。 これでフラッシュメモリタイプのUltimate Boot CDが完成しました。 PCを再起動して、ブート順序を変えるなりブートセレクトするなりで フラッシュメモリからブートさせてみて、青い画面になるようなら成功です。 はじめに何かキーを押さないと、青い画面には飛ばないので注意。 また、M/Bによっては、以下のようなエラーが出てブートできない場合もあります。 Error: Could not find kernel image: Linux詳しい理由に関しては、この辺やこの辺を読んでみて下さい。 最近のチップセットならほとんど問題なく行けるとは思いますが。 オマケ比較的よく使うと思われる、Memtest86+の更新の仕方についても書いておきます。まず、ここから最新版のMemtest86+をダウンロードします。 ダウンロードする物は、"Pre-Compiled package for Floppy (DOS - Win)"タイプです。 そのフォルダを解凍すると、中に floppy というフォルダがあり、 中に memtestp.bin という名前のファイルがあるかと思います。 まずは、このファイルのみを解凍し、memtestp という拡張子なしのファイル名にリネームします。 ファイルは一時的にどこかに保存しておけばいいでしょう。 次に、先ほど作成したフラッシュメモリの以下のフォルダをメモ帳などで開きます。 \menus\mboard2.cfg以下の部分のバージョン情報を、先ほどダウンロードしたファイルに沿って書き換えます。 LABEL memtestp MENU LABEL Memtest86+ V2.01 ← ここを書き換える KERNEL /boot/memtestp APPEND -さらに、先ほどダウンロードしてリネームした memtestp というファイルを フラッシュメモリの \boot 下にある memtestp と差し替えます。 これで、差し替え完了です。 ©2000-2009 Kaede Kannagi. All rights reserved. |
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